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ザクロ谷

北アルプス立山西方に流れるザクロ谷は、称名川と平行して流れる支流であり、名前の如く、平坦な大日平に鋭い割れ目を形成する興味深い谷である。
本流に比べると規模は遥かに小さいが、谷の切れ込みは鋭く、弱点の少ない険悪な渓相が続く。
滑らかに浸食された美しい緑の廊下は、ゴルジュ嗜好家なら誰もが一度は訪れたいと思うだろう。

泳ぎを駆使する谷ゆえ行ける時期が限られ、機を窺う内に二年が経過してしまった。 今年もベストな8月を逃し、またも行けず終いかと諦めかけていたが、9月に入って絶好のチャンスが訪れた。
寒く辛い遡行になるのは予想できたが、このチャンスを逃したら次はいつ行けるか分からない。生涯の目標の一つを達成すべく、ついに重い腰を上げた。

 

9月16日(晴)

毎度の如く仕事後の深夜移動で立山へと向かう。
片道約500kmの道程。6時に到着するが、称名川沿いの道路にはゲートがあり、7時から18時の間しか車は通行できない。ゲートが開くまでの1時間で仮眠を取る。

第2発電所の先にある広い路肩に駐車し、アプローチである導水管沿いの階段を上がる。
最上部には建物があり、その真裏にトンネルがあった。
これが山を突き抜け雑穀谷へと通じるトンネルだろうと、疑う余地もなく中へ入った。

足元には水が流れ、真っ暗闇で不気味極まりない。3人程並んで歩けるような広さがあり、ヘッドランプの明りが周囲に届かないので尚更怖い。見えるのは足元や天井など近い範囲のみ。
映画なら何か得体の知れない怪物でも出てきそうな雰囲気で、一人でこんな所に入っていくのは正直気が滅入る。
ついつい怖ろしい想像をしてしまい、全身に悪寒を走らせながら足早に奥へと進む。

さっさと通り抜けてしまいたい一心だが、途中で念のため進路の角度を測ってみると、何と全く違う方向を指しているではないか。
どうやら二つに分かれているトンネルの違う方に入ってしまったようである。何たるミス。
どこで間違えたか分からず、途中で分岐がないか確認しながら戻るが、結局入口に出てしまった。

階段がもう少し上まで続いていたのでそちらを上がってみると、人一人が通れる程の小さいトンネルを発見。
ヘッドランプの明りが周囲に届き、足元に水も流れていないので、先程と比べると随分快適である。15分程で雑穀谷へ出ることができた。
雑穀谷は巨岩の多い谷で、進むのに意外と時間が掛かる。ザクロ谷が出合うとゴーロの谷が一変し、狭いゴルジュ帯へと突入した。

長い淵の奥には、岩壁を断ち割るかのような細く急峻な滝が幾段も落ちている。最狭部はわずか50cmほどで、初っ端から厳しい様相に一気に緊張感が高まる。
最初の関門は放水のような3m滝。

とりあえず淵を泳ぎ右の窪地に逃げ込むが、冷たい水に一瞬で体温を奪われ、早くも歯の根が合わない。
滝身にホールドはなく、フリーで越えるのは不可。水流中に垂れている残置ロープを利用し、流水に真っ向から突っ込むことにする。
水圧に負けそうになりながらもゴボウで強引に這い上がって何とか突破。水勢強く、もし残置がなければかなりの苦戦を強いられたことだろう。

滝上にチョコンと引っ掛かったミニCSの上で一旦ザックを引き上げる。続くトイ状滝も悪そうである。
最上部の5mCS滝を含めると、下から全部で5段15mといったところか。やはり過去の記録とはだいぶ変わっているようだ。これだけ変化の大きい谷だと一度Fナンバーの改定をした方がいいかもしれない。

フリクションを効かせたステミングで登って行き、突き当たりで右壁に移る。悪いバランスで水流を乗越し、最上部CS滝の真下に出た。
足元の岩には3本の真新しいボルトが打たれ、アンカーが作られているが、ボルト3本はいくら何でも過剰ではなかろうか・・。

先程のミニCSに置いてきたザックの回収にかかるが、途中で引っ掛かってビクともしない。仕方がないので一旦懸垂下降し、回収して登り返す。
最後の滝は下部に負けじと悪相で、弱点のないハングを越えなければならない。またもや苦戦を強いられそうな気配となるが、上部の岩に残置スリングがあるのを発見。
岩に回しただけの簡易スリングだが、この状況では有難い。背伸びしてアブミを掛け、A1で切り抜ける。

間髪入れず4mCS滝(旧F4)が現れ行く手を遮る。写真程のスケールを感じないが、淵の水流は早く、手強いのは間違いない。
まずは泳ぎで挑戦。半分くらい進んだ所で足にロープが絡まり、それを解いている間に体温を散々奪われる。
あわてて岸に戻るが、戻る途中で寒さの限度を越えたのか体が痛い。痛くなるほどの寒さは沢では初めて。これで気持ちをかなりそがれた。

体温上昇を待って、仕切り直してもう一度。しかし中間部付近で水流に抗うことができず、またもや敗退。
ライジャケを着けているせいで水の抵抗を受け過ぎているようだ。かと言って脱いで泳ぐ気も起きず、別の方法を探ることにする。

左岸を見ると、高みにクレハコーチルートの残置ボルトが続いている。とりあえず取り付いてみようと、一番手前のボルト(水面上3m)にチョンボ棒(釣竿)でクリップする。
後は続くリングボルトを辿ってひたすらA1トラバース。
左上するので、だんだん水面から高くなり最上部は8m程となる。

釜があるからロープの確保は無し。ロープは荷上げ用にぶらさげているだけである。
とは言え、もし滝上付近で落ちたら下の岩への激突は免れないので、油断は禁物である。

最上部のスラブカンテを回り込む所(手前から見える一番奥のボルト)で残置ボルトの強度チェックをしてみると、グラグラ動いている。残念ながら使用不可。
トラバースができなくなったので、止む無くそこから滝下へ懸垂下降する。

ロープの解除をせず、そのままステミングで滝に取り付いて登り始めるが、突然後ろに引っ張られ先に進めない。
どうやら懸垂分と合わせて30mロープが一杯になってしまったようだ。
しかしバランスの悪い体勢で懸垂ロープの解除をする余裕もなく、できるだけザックを手繰り寄せた隙に滝を登り切って事なきを得る。

いろんな問題が起こり、実に大変な滝であった。体力を大幅に消耗し、あまりの寒さに具合が悪い。
ゴルジュに入ってからというもの、体は常時ガタ付き、アゴは外れそうな位ガクガクしている。

何かエネルギーを摂らなければいけないのは分かっているが、食欲が無く、吐き気や頭痛すら出てくる。どうやら低体温症になってしまったようだ。
エスケープしたい所だが、こんなゴルジュに逃げ場は無く、進むか戻るしか方法はない。
戻るにはまた泳がなくてはならないので、とりあえず牛ノ首(登山道が近づく峠)まで進むことにする。

そんな状態もお構い無しに、再び悪そうな4mCS滝が現れる。中間の岩の上に一段上がり、右の水流沿いにCSを抱えて這い上がる。
続いて角型のCSを持つ2m滝。手前に一枚岩があり、そのリッジを登る。

そして深い淵を携えた3mCS滝。体も脳も完全に拒否しているが、進むには泳ぐしかない。拷問のような寒さに耐え、滝に取り付く。
これがまた嫌らしい滝で左岸からCSと側壁をバック&フットで上がろうとするが、足が滑ってフォール。再び水攻め苦を受ける。
次は慎重にずり上がるが、水流に足を突っ込んだ後の重心移動がどうしてもできない。ホールドもないので突破法が見当たらず、しばらく苦しいチムニー状態で悩む。

再度ホールドを探すべく、右の岩肌を見てみると一箇所穴が空いているのを発見。指で持てる程ではないが、ハンマーのピックでなら使えそう。
浅い穴なので突然外れそうで怖かったが、何とか重心移動に成功。最後は流水を真っ向から受け止めながら這い上がった。
2人ならショルダーで解決できるのだろうが、単独では全てを知恵と登攀力でカバーしなければならない。

まだゴルジュは続くが、渓相は少し穏やかになる。易しい2mCS滝を越えると、再び長い淵を持つ2mCS滝。
もううんざりだが、やはり泳がないと滝に取り付けない。流れに押し戻されそうになりながらも、一回で済ませたい一心で必死に泳ぎ切り、 左岸のクラックから越える。

2条5mCS滝は左岸の滝身も登れそうだが、シャワークライムとなるので、手前のツルツルの倒木を登って岩の上に上がった。
2条4mCS滝を越えた所で右の稜線が低くなり、牛ノ首に着いたことを知る。

先の「手まり滝」を越えて早乙女沢出合でビバークするか、一旦下山するか悩んだが、この体調の悪さで寒い夜を過ごしたら明日は廃人と化しそうである。
身の危険を感じるので、不本意ながら下山とする。明日休養を摂って、明後日出直そう。
下山は牛ノ首からわずか1時間15分と、意外に早かった。これなら後半戦のアプローチも全く問題ない。

今日の遡行は特に寒さの面で今までになく過酷であった。
淵を泳いだ後はすぐに体が動かず、10分位は震えて体温上昇を待つ必要があり、連続で滝を越えていけるような状態ではなかった。
ゆえに遡行時間の半分は止まって震えている時間だったようにも思う。
今回の不調はここ最近の疲労や睡眠不足の要因が大きいのだろうが、普通の沢なら問題ない体調でも泳ぐ沢においてはかなり大きな影響が出ることを痛感した。

 

9月18日(晴)

前日の18時前にゲートを通過して車中泊。アプローチがあるので暗い内から行動を開始する。4:15に出発。
登山道を上がり、1時間で牛ノ首に到着する。一昨日の下りより早いタイムで上がることができた。昨日のレストで体調は万全のようだ。 ちょうど夜明けとなりタイミングも良い。

入渓後最初に現れたのは「手まり滝」15m。名前通りの容姿で美しい滝である。右壁が登れそうに見えるが、余計なことをしている時間もないので、予定通り右岸から巻く。
降りた先は早乙女沢出合。開けてはいるが増水には耐えられない場所なので、テン場適地とは言えない。 泊まるなら牛ノ首付近がベストであろう。

出合から先は再び狭いゴルジュ帯が始まる。最初の核心は下段0.5m(元口無しの釜)と上段2mの2段滝。過去には水が流れていなかったらしい下段も、今では勢いよく水が溢れている。上段には倒木が覆い被さる。

泳ぎを嫌い右壁に取り付くが、フリクションが悪く敗退。諦めて泳ぎに入る。下段に取り付くが水勢が強い上に、水を吸った体は重く、マントルの体勢に入るのも辛い。
すぐに寒さの限界が来たので急いで戻る。各なる上はハンマー投げ。上の倒木目指して投げると一発で引っ掛かった。アブミを使って下段を越え、上段は倒木を登る。

次に行き詰ったのは3mCS滝。どうにも弱点がなく、これもハンマー投げ。左岸の倒木目掛けて投げると、これも一発でヒット。
体重を掛けてよく確認した後、アブミでハングを越える。
しかし上がった先で見たものは・・。木の節5mmくらいの出っ張りに、わずかに引っ掛かっているだけのハンマー。
こんな状態でよく人の体重を支えられたものだと感心するが、もしこれを最初に見ていたら、とても体重を預けられたものではない。知らぬが仏というやつか・・。

その後も小粒ながら厳しい滝が続く。泳いだり、岩の間を這い上がったり、エイドで越えたりと次々現れる滝を考えながら突破していくのは楽しい。
垂直の3m滝を左のクラックからエイドで越え(残置利用)、小滝をいなしていくと一際美しい連瀑帯が現れた。緑の回廊と呼ぶに相応しい光景である。
最奥には15mのナメ滝から始まる4連瀑が落ち、直登は考えられない。右岸のスラブから巻くことにする。

流木でアンカーを取り、ロープで確保。
このスラブは悪いという情報を得ていたが、実際にはそれ程でもなかろうと高を括っていた。
しかし取り付いてみると想像以上に悪く、ヌメるスタンスでの完全なフリクションクライムとなる。

5m上の残置ボルトまでいつスリップするか分からない恐怖と戦いながら緊張感のある登攀が続いた。
落ちて死ぬ程の高さではないが、こんなところで怪我でもしたら、ソロでは致命的である。
ボルトから先は残置ハーケン1本と藪で支点を取って上部の潅木に達する。ロープを片付け、草付バンドをトラバースして落ち口へ。

先にはこれまた厄介そうな6m滝。ソーメン滝というらしい。
スカイフックのアブミでスタート。残置ハーケン2本を利用し、エイドで抜ける。
続いて長い淵を持つ1m滝。泳いで中央突破もできそうだが、全くその気にはなれない、何とか別の方法がないかと探すと、右岸のクラックに残置ハーケンを発見。ハングを越えて岩棚に上がるのが良さそうだ。

とりあえずアブミを掛けて岩棚の上を探ってみる。しかし上にまともなホールドは無く、残置も無い。A0用にハーケンを打ちたいが、なかなかいいリスも見当たらない。
そうこうしている内に、ふと目の前の流木の存在に気付く。ただ乗っかっているだけだが、ある程度重そうなのでホールドとして利用できそうだ。

早速下のアブミを回収して完全フリーの体勢に入る。もはや後戻りはできない。(釜に落ちることはできる。)
木を手掛かりに一気にハングを越えようとすると、突然ズルッと木が動いた。
やばい!・・とっさに引くのを止め、押し付けるホールディングに変える。バランスを保ちながら体の力をフルに使って這い上がった。危ない危ない、もう少しで木と一緒に落ちる所だった。

ミニ堰堤的な2m直瀑は左壁を登ろうと取り付くが後半が悪く敗退、右壁から登る。谷は一旦開け、 右岸から細い支沢が滝となって流入する。(C1590)
すぐに再びゴルジュに入り、淵を持つ3mCS滝に阻まれる。
泳いで左岸の棚にマントルで這い上がり、残置ボルトを使ってワンポイントのA0トラバース。
水を吸った体ではなかなか辛いマントルであった。

次々現れる小滝を越えていくと、全く弱点のない4m滝に突き当たる。右岸に連打された残置ボルトを使い、エイドで越えるしかない。
出だしの残置ハーケンは水面上3mの位置にあり、まずはチョンボ棒でクリップ。あとはひたすらアブミの掛け替えで、直上からトラバースに移り、最後はフリーで落ち口に立つ。

今では残置(ハーケン1本、ボルト5本)を使って機械的に越えられるようになったが、先人の苦労は並み大抵ではなかったと思われる。
今回私はボルト類を持参していなかったので、もし残置が抜け落ちていたら、ここで敗退していたかもしれない。
今後の遡行ではこのボルトが抜け落ちている可能性も念頭に入れて遡行に挑む必要があるだろう。

ここからしばらくはゴルジュから開放される。
ヌルヌルの5m滝を右から、10m滝を左から直登し、右岸から支沢の10m滝が合流すると最後のゴルジュとなる。
3m、2m滝と越えると、いかにも悪そうな6m滝に阻まれた。
直登しているパーティーもあるようだが、じっくり目を凝らしてもラインを見出せない。(後でよく調べたらハンマー投げで通過しているパーティーだった。)

左壁は考えられないので、可能性があるとしたら右壁。
緑のスラブを登り、上部の凹角を上がるのが唯一のラインだが、上部は見るからに悪そうで登れるか疑問である。
挑戦する気も起きず、右岸のリッジから巻くことにする。
緩いリッジを上がっていくと3mの垂壁に遮られた。垂壁のすぐ上にはブッシュがあり、そこまで上がりたいのだが、ホールドが乏しい壁は一筋縄ではいかない。

ハーケンが打てないのでエイドの手段もなく、隣の草付に逃げようと試みるが、こちらも垂直でさらに悪い。止むを得ず草付の基部を左にトラバースして迂回ルートを探るが、同様に不可。
こうなっては垂壁を直上するしかないが、フリーソロではリスクが高すぎてどうしても一歩が踏み出せない。
一旦沢床に戻り、再度ルートファインディングし直すことにする。
しかし何度見てもやはり可能性がありそうなのは右壁しかない。少し戻って大きく巻く手段もあるかもしれないが、とりあえず右壁登攀に挑戦してみる。

空身になり、苔むした渋いスラブを登っていく。ハングの下から右の外傾テラスに移る部分が特に悪く、思い切ったマントルムーブで重心移動し何とか乗り移った。
しかし、いざ凹角に辿り着いてみて唖然・・。まともなホールドは皆無で、全く登れそうに見えない。
やはり遠目に見た通りの結果となったが、今問題なのはここからどう脱するかである。

きわどいバランスムーブで登ってきたので、クライムダウンは厳しい。格なる上は懸垂と言いたい所だが、泥岩質の壁は非常に軟弱で、ハーケンが全く効かない。
登れもせず、下れもせず、懸垂もできない状況に陥ってしまった・・。
とは言え、可能性があるのはクライムダウンしかないので、
「登れた所は降りられる。」の理論を自分に言い聞かせ、悪いスタンスに足を降ろす。

6m下には釜があるがそれ程深くはなく、しかもスラブの基部がポットホールになっているので、落ちたらまずそこに激突することになるだろう。
登った時のムーブの逆行は無理なので、ワラをも掴む思いで、登りで使わなかったボロボロの岩をホールドにする。
少しでもバランスを崩せば、一瞬でスリップしそうなスメアスタンスを信用し、全神経を集中して最悪のポイントを通過した。
残りのスラブを慎重に下り、無事に取り付き地点に戻る。

右壁の可能性が消え、最後に残されたのは先程の巻きライン。覚悟を決め、垂壁に取り付く。
悪いホールドで左足を高いスタンスにハイステップ。右足をフラッキングした状態で次のホールドを探る。
もしここで落ちれば下の滝まで8m以上落ちることになるので緊張が走る。

左手のカチアンダーを探り当て、右手でリップの丸いホールドを掴む。一気に右足を棚に上げ、バランスを崩さないように上部のヤブに手を延ばした。
ヤブを掴んで強引にハングを乗越し、安全地帯に入る。
最上段の2m滝を一緒に巻いて、最後の難関を終えた。

険しかったザクロ谷も穏やかな源流となり、程なくして登山道に合流した。
途中敗退の挫折もあり、体力的かつ精神的にも苦しかったが、逆境を乗り越え遡行を完遂できたことが嬉しかった。

 

通常なら水線突破をしないような滝を次から次へと越えて行くのが、ザクロ谷遡行の大きな特徴であり、魅力であったと思う。
それは自分の中のゴルジュ遡行の常識を覆すほどの内容であった。

今回の遡行で技術的にも精神的にも大きくレベルが上がったと感じる。
今後この手のゴルジュに阻まれても果敢に水線突破で攻められるだろう。また、これだけ寒い思いをした経験があれば、大抵の泳ぎの沢なら耐えられそうである。

ザクロの経験は未来の遡行で大きな心の支えになるに違いない。

ザクロ谷出合
≪ ザクロ谷出合 ≫
ザクロ谷に入った途端、谷は狭いゴルジュへと変貌する。
5段15m滝
≪ 5段15m滝 ≫
細いゴルジュに急峻な滝が続く。
出だしの3m滝
≪ 出だしの3m滝 ≫
放水のような勢いで水を噴き出す。
残置ロープを利用して強引に突破した。
5段15m滝上から
≪ 5段15m滝上から ≫
理想の廊下。
4mCS滝
≪ 4mCS滝 ≫
非常に苦労した滝。泳ぎでの突破は
ライジャケを付けていたら厳しい。
角型2mCS滝
≪ 角型2mCS滝 ≫
手前の一枚岩のリッジを登る。
3mCS滝
≪ 3mCS滝 ≫
淵を泳いでバック&フットで登るが苦戦。
シビアなハンマーワークで越えた。
水路状ゴルジュ
≪ 水路状ゴルジュ ≫
こんな渓相がひたすら続く。
もののけ姫の世界
≪ もののけ姫の世界 ≫
緑が美しい。
手まり滝15m
≪ 手まり滝15m ≫
球体を彷彿とさせる名前通りの滝。
1m滝&0.5m+2m滝
≪ 1m滝&0.5m+2m滝 ≫
早乙女沢出合から先の最初の関門。
流木の下の0.5m滝を越えるのが大変。
3mCS滝
≪ 3mCS滝 ≫
ハンマー投げ&アブミで越えたが、上で世にも恐ろしい光景を目の当たりにする。
1mCS滝
≪ 1mCS滝 ≫
穏やかな渓相だが、やはり泳がされる。
3m滝
≪ 3m滝 ≫
薄霧が掛かって幻想的。
左壁クラックをエイドで登る。
緑の回廊
≪ 緑の回廊 ≫
美しすぎる。
自然の造形に驚くばかりだ。
4段25m滝
≪ 4段25m滝 ≫
この連瀑も美しい。
手前の滝は15mほど。
4段25m滝の高巻き
≪ 4段25m滝の高巻き ≫
出だしのスラブは噂に違わぬ難しさ。
非常に緊張感のある登攀を強いられた。
高巻きの途中から
≪ 高巻きの途中から ≫
釜が数珠繋がりで続く。
側壁の浸食も印象的だ。
ソーメン滝6m
≪ ソーメン滝6m ≫
小振りながらも綺麗な滝。
左壁をエイドで突破。
長い淵を持つ1m滝
≪ 長い淵を持つ1m滝 ≫
こんなちょっとした滝でも難しいのが
ザクロの特徴。さてどうしよう。
1m滝上から
≪ 1m滝上から ≫
右岸のハングを流木を掴んで登る。
(手前の太いのでなく、奥にある細い方)
3mCS滝
≪ 3mCS滝 ≫
淵を泳ぎ右のテラスにマントルで上がる。
そのまま右壁をA0トラバース。
1m滝と4m滝
≪ 1m滝と4m滝 ≫
4m滝は残置に頼らなければ登れない。 最後のトラバースは少し緊張する。
支沢滝10m
≪ 支沢滝10m ≫
「ムンクの叫び」的な滝。
最後の難関6m滝
≪ 最後の難関6m滝 ≫
最後の最後でも苦労させられる。
ザクロは最後まで気を抜けない。
称名滝
≪ 称名滝 ≫
日本最大の滝。
格好良すぎる。
称名滝下部
≪ 称名滝下部 ≫
海のように深く荒れ狂う釜を見るだけでもスケールの違いを感じる。
称名滝を見上げる
≪ 称名滝を見上げる ≫
激しく落ちる水が凄まじい。
いつか登りたい滝である。
遡行図
≪ 遡行図 ≫
画像をクリックするとPDFで開きます。

【 遡行データ 】

  • 対象 : 北アルプス 称名川 「ザクロ谷」
  • 行程 : 「ザクロ」遡行~登山道「牛ノ首」経由で下山
  • 日程 : 2009/9/16・18 2日
  • 形態 : 単独
  • ギア : 三つ道具、スリング、7mm30mロープ
  • コースタイム :
  • 9/16  第2発電所P(7:45)-導水管トンネル[誤](8:00)-導水管トンネル[正](8:15)-雑穀谷(8:30)-ザクロ谷出合(9:35~9:50)-F4上(10:55~11:05)-F8上(13:45~13:50)-(14:05~14:25)-牛ノ首下(15:20~15:25)-登山口(16:20)-第2発電所P(16:40)
  • 9/18  称名滝P(4:15)-登山口(4:25)-牛ノ首(5:10)-入渓(5:15~5:45)-早乙女沢出合(6:15~6:20)-3mCS滝上(7:10)-4段25m滝上(9:10~9:30)-C1590支沢出合(10:15)-4m滝上(11:20~11:30)-登山道合流点(13:30~13:50)-牛ノ首(14:35~14:40)-登山口[称名滝見物](15:15~16:15)-称名滝P(16:25)

 

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