ホームへ

米子沢

美しいナメを持つことで有名な米子沢。
以前から気にはなっていたが、なかなか行く機会を得られなかった。グレードも易しいということで、今年のわらじ慣らしに行くことにする。

橋横の駐車場(有料500円)に車を止め5:20出発。
今回はロープも登攀具も一切持たず、超軽量スタイルだ。橋の左から入渓する。

水は無く、先には堰堤がいくつも続いている。7つほど堰堤を巻いていくが、半袖でヤブ漕ぎをしたため、腕が擦り傷だらけになってしまった。不快指数が大幅に上昇。
後で調べて分かったのだが、橋の手前の林道を上がれば最後の堰堤に出られたようだ。事前によく調べておけば良かった・・。
堰堤を終えても水の無い川原が続く。入渓から40分、ようやく水が出現。30mのナメ滝も現れ、いよいよ本格的な遡行が始まる。30m滝は右から取り付き、中段で左に移って登る。傾斜が緩く簡単。

ナメ沢出合(C1000)は開けていて気持ちがいい。5mナメ滝を越えるとミニゴルジュとなり、瀞を持つ6m滝に遮られる。
左岸をトラバースして滝右のクラックを直上。トラバースの出だしで少し保持力を使う。クラックはフットジャムがいい感じにきまった。

すぐ上に3段40m滝(下段5m、中段25m、上段10m)。下段は水流右から側壁のガバを使って越える。中段は悪く、右のルンゼから巻くことにする。
ほどよくヤブが続くが、左にトラバースする地点で草付となる。ヌメる岩でのバランシーな一歩がいやらしい。
真新しいRCCボルトが打たれており、自信のない人はそれに頼れるだろう。後は問題なく踏跡を辿る。

堰堤状の15m滝は右壁を登り、続くナメ滝が美しい。小滝を越えていくと、一際開けた場所に出た。
すり鉢状にえぐられた10m滝が、まるで舞台のような空間を創り出している。やはり越後の沢は開放感抜群。右の緩いリッジを爽快に登る。

登り終え、ふと前方を見上げると、思い掛けないスノーブリッジが・・。まだ陽が当たり始めたばかりだが、大雨のように融水が滴り落ちている。
中央が薄く、右側がバックリ割れている。壊れるのも時間の問題だろう。写真に収め、足早に通過する。C1340で支沢を分けると再びゴルジュとなる。

最初は5m滝。一見難しそうだが、右から簡単に越えられる。8m滝も右から。次の2段8m滝は左壁に取り付く。
がっちりしたホールドがなく、足で登るバランスクライムで落ち口へトラバース。上から覗いてみると、右壁の方が簡単そうだった。

さらにゴルジュは狭まり最狭部に6m滝が落ちる。遠目には直登できるか微妙に見えたが、こういうのは近づいてみないと分からない。
案の定、左壁にホールドが隠れていた。傾斜はあるがホールドがガバでしっかりしているので問題はない。ただ力のない人には直登は厳しそうだ。
今回一番登攀的なポイントだった。左岸上部のバンドで小さく巻くこともできるだろう。

上には間髪入れずに20m滝。チムニー状の豪快な滝だ。右壁から簡単に越える。10m滝は左壁直登。20mの階段状の滝を越え、いよいよ米子沢のハイライト、大ナメとなる。
数百メートル続くこのナメは、噂に違わず素晴らしい。このレベルの沢で、これほどの景観は滅多にお目に掛かれないだろう。何とも貴重な沢だ。

残る小滝も容易に越え、いよいよ源頭の様相となる。
見渡す限りの草原には、小さな花が咲き乱れ、小川のせせらぎが美しい。まさに天上の楽園。

雪渓の手前から草原に上がり、丘へと向かう。すると最後にもう一つプレゼントが待っていた。 池塘である。
鏡のように穏やかな水面に紺碧の空が映し込まれている。心が洗われるようだ。
清清しい気分で頂上へと向かった。

30m滝
≪ 30m滝 ≫
明るく開けた渓相。
6m滝
≪ 6m滝 ≫
左岸をへつるが出だしが少し悪い。
3段40m滝の中段25m滝
≪ 3段40m滝の中段25m滝 ≫
磨かれた岩肌を水が滑り落ちる。
15m滝
≪ 15m滝 ≫
どっしり重厚な滝。
すり鉢状10m滝
≪ すり鉢状10m滝 ≫
沢筋は右へ続く。 滝上を回り込んできた水流が左から落ちる。不思議な景観だ。
スノーブリッジ
≪ スノーブリッジ ≫
融水激しく壊れるのも時間の問題。
険しい渓相
≪ 険しい渓相 ≫
2級の沢にしては意外にゴルジュ遡行も楽しめる。
2段8m滝
≪ 2段8m滝 ≫
左壁を落ち口の高さまで登り、バンドをトラバース。
20m滝
≪ 20m滝 ≫
荒々しいスケールで迫る。
階段滝
≪ 階段滝 ≫
いよいよハイライトが始まる。
大ナメ
≪ 大ナメ ≫
この景観に言葉はいらない。
大ナメを見下ろす
≪ 大ナメを見下ろす ≫
何とも爽快。
源頭
≪ 源頭 ≫
まさに天上の楽園。
池糖
≪ 池糖 ≫
最高のフィナーレ。

【 遡行データ 】

  • 対象 : 巻機山 登川 「米子沢」
  • 行程 : 「米子沢」遡行~登山道「井戸尾根」経由で下山
  • 日程 : 2008/8/8 日帰り
  • 形態 : 単独
  • ギア : なし
  • コースタイム :
  • 8/ 8   米子橋P(5:20)-水出現(6:00)-ナメ沢出合(6:35)-3段40m滝上(7:00)-C1340支沢出合(8:05)-大ナメ(9:00)-二俣(9:55)-C1850雪渓出現(10:25)-登山道(10:40)-巻機山頂(10:50)-米子橋P(13:20)

 

↑ページトップへ