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三峰川 岳沢

多くの巨瀑を秘め、期待通りに楽しめる沢だった。
登攀的なイメージとは裏腹に実際には高巻きが多かったが、岩壁に取り囲まれた美しい滝を見ながらの巻きは、決して辛いものではなかった。

登攀した滝の中では、ロープを使用した、30m滝とソーメン流しの滝110mが特に印象深い。
30m滝は左壁に走るバンドを伝って上部へ抜けたが、弱々しい潅木での高度感のあるトラバースは何とも言えない緊張感があった。
ソーメン流しの滝110mは下部から上部にかけて傾斜が増し、苔の付着した滑りやすい岩が登攀の難度を上げていた。下部40mは傾斜の緩い右壁。中間部30mは冷水シャワーを浴びながら水流を横断し、左壁を登攀。上部40mは左のルンゼを巻き上がった。

その後もあなどれない滝が連続し、険しい岩の殿堂はどこまでも続いていた。
明るく気持ちの良い源頭を詰め上がり、最後は紺碧の空に包まれた大仙丈ケ岳へと導かれた。

12m滝
≪ 12m滝 ≫
右岸から巻く。
険谷への入口
≪ 険谷への入口 ≫
側壁は高く切り立つ。
30m滝
≪ 30m滝 ≫
右岸バンドから越える。
上部に行くほど悪くなる。
30m滝を見下ろす
≪ 30m滝を見下ろす ≫
登攀中のバンドから。
20m滝
≪ 20m滝 ≫
登攀不可。
右岸から巻く。
次の20m滝
≪ 2段40m滝の下段20m ≫
この滝も登攀不可。
手前で左ノ沢が右岸から入る。
岩小屋
≪ 岩小屋 ≫
ビバークポイント。左ノ沢を30mほど
上がった所にある。
2段40m滝
≪ 2段40m滝 ≫
右岸バンドから巻く。
10m滝
≪ 10m滝 ≫
正面には険しい岩壁。
ソーメン流しの滝は近い。
ソーメン流しの滝1
≪ ソーメン流しの滝1 ≫
前方についにソーメン流し
の滝110mの姿が・・。
ソーメン流しの滝2
≪ ソーメン流しの滝2 ≫
岩壁に支配された世界。
巨大な壁となって行く手を阻む。
ソーメン流しの滝3
≪ ソーメン流しの滝3 ≫
中間部で水流を横切る。ここからが
核心の始まり。ロープ使用。
ソーメン流しの滝4
≪ ソーメン流しの滝4 ≫
水流左を登攀。表面に付着した
苔が異常にヌメる。(Ⅳ級)
ソーメン流しの滝5
≪ ソーメン流しの滝5 ≫
登攀中にて下を見下ろす。
ソーメン流しの滝6
≪ ソーメン流しの滝6 ≫
上部40m滝。
成す術も無く、右岸から高巻く。
20m滝
≪ 20m滝 ≫
お花畑に囲まれた庭園のような滝。
右岸から巻く。
上部の渓相
≪ 上部の渓相 ≫
滝はまだまだ続く。基本的に岩で
構成されているので明るい。
10m滝
≪ 10m滝 ≫
まだこんな滝が・・。
すぐ上の10m滝
≪ すぐ上の10m滝 ≫
左壁を直登。バランスが悪く、しかも
脆い。今回一番の難度だった。(Ⅳ+)
4段20m滝
≪ 4段20m滝 ≫
岩の隙間を縫って落ちる。
全てフリーソロ。
仙丈ケ岳
≪ 仙丈ケ岳 ≫
3000m峰はやはり違う。

【 遡行データ 】

  • 対象 : 南アルプス 三峰川 「岳沢」
  • 行程 : 「岳沢」遡行~「仙丈ケ岳」~「三峰川本流」下降~「岳沢乗越」経由で下山
  • 日程 : 2010/8/25~26 1泊2日
  • 形態 : 単独
  • ギア : 三道具、スリング、8mm30mロープ
  • コースタイム :
    • 8/25  岩入集落林道ゲートP(8:10)-[工事車両ヒッチハイク]-丸山谷南沢出合C1120(8:30)-営林小屋(9:30~9:35)-岳沢乗越(10:40~10:50)-[信じられないことに誤って来た道を下降]-営林小屋(11:40~11:50)-[再度登り返し]-岳沢乗越(12:50)-三峰川(13:00~13:10)-30m滝下(14:30)-上(15:50)-左ノ沢出合(16:20)△BP
  • 8/26  △BP(5:20)-ソーメン流しの滝下(5:40~5:45)-上(7:30)-ガレ入口C2700(8:30~8:45)-大仙丈ケ岳(9:20~9:45)-仙丈ケ岳(10:05)-三峰川下降点C2430(11:00~11:10)-本流出合(11:45)-岳沢乗越取付点(12:45~13:00)-岳沢乗越(13:20)-営林小屋(14:25~14:30)-丸山谷南沢出合C1120(15:30~15:45)-岩入集落林道ゲートP(17:10)

 

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