秋雨前線が停滞し、各地で大雨となっている中、比較的天気の安定している山梨県の沢に的を絞る。
興味深いのは近年完全遡行された尾白川中流部ゴルジュ帯。初遡行以後の記録はなく、高度な登攀技術と泳ぎを駆使するため、対象としては申し分ない。
今回は日帰り日程のため、まずは竹宇駒ケ岳神社から不動滝までの前半部を遡行することにした。
神社の横から入渓するとすぐにゴルジュとなり、千ヶ淵の奥に20mほどの滝がかかる。
落ち口から勢いよく水が溢れ出す様子を見る限り、水量はかなり多く、側壁のクラックからも水が噴き出している。これを登るとなると、終始シャワークライムになるだろう。
気温の低い今回は登攀を見送り、登山道から巻くことにする。
巨岩主体の沢筋が続くが、所々に岩間滝と大釜が現われ、飽きることはない。ただ、残念ながらトラロープ等の人工物が目立つ。また、高巻きの際は登山道に出ることになり、あえて沢登りのスタイルを取らなくてもいいのではないかと思えてしまう。
神蛇ノ滝を右岸から巻いてほどなく、上方に吊橋が現われ、ゴルジュの前半部が終わる。
その先には不動滝25mが豪快に水を落とし、後半部最初の関門となって立ちはだかっている。まだ時間に余裕があるため、登攀を試みることにした。
凹角沿いに左壁を登るが、中上部は残置ボルトとハーケンを利用した人工登攀に終始。
水量が多く、抜け口は水流中を強引に上がるより他に方法はない。足をすくわれそうなバランスの悪い体勢で、水圧に耐えながらの苦しい登攀。
このまま上に抜けてしまって大丈夫かと不安になるが、思い切って上がってみると安定したテラスがあった。
上流には10mCS滝が見えるが、この水量では取り付くこと自体が厳しく、しかも登攀ラインには水が流れている。もはやここまで。
残りは次回に回すことにして撤収。右岸から巻き下り、登山道で下山した。